チョコから始まるかも知れない何か…

 

コーヒーの香りに誘われて

たまたま入った喫茶店で

チョコレートをもらったよ

バレンタインが近いからって

 

   私 一応女性なんですけれど……

   まあ 気にしないで サービスなんだから

   お店のご主人は穏やかにそう告げる

   まあ いいかぁ

   別に毒入りってわけじゃなし

 

そっと手渡されたチョコレートを

試供品をもらうような気軽さで

バックの中にしまったら

なんとなくわくわくしたよ

サービスのチョコレートだけれど

なんとなくいいなぁって……

 

   多分 義理チョコなるものも こんな感じなのかな?

 

淡いピンクと

淡いグリーンのラッピングを

そっと取り外したら

透明な袋に二十個程入った

手作りのトリュフチョコが顔を出したよ

 

   “このチョコは願いの叶うチョコレートです”

   メッセージのカードが添えられて……

 

一個摘んでみる

口の中でゆっくり蕩けるチョコレート

甘すぎずほどよいかげんのほろ苦さ

お主やるなぁと思いつつ

残りのチョコレートを眺める

 

   何でも願いが叶うのかしら?

   ジョークだとしても

   こんなに美味しいんだからまあいいかぁ

 

あの喫茶店に

今度は ホワイトデーに行ってみようかしら?

でも その前に 多分 きっと……

 

★1997.12.19?の作品。
『ゆめがたり』第6号に載せて頂きました。
テーマは:バレンタイン&ホワイトデー

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