少年は、地平線の彼方をみつめていた。
ただじっと、みうごきもせずに……
少年は、時が来るのをまっていた。
《昨日の続きではない今日を
今日の続きではない明日を無意識のうちに
求めていたのかもしれない》
少年は、ほほをぬらす涙にも
気づかなかった。
少年は、いつも一人だった。
何も持ってはいなかった。
《物質的にも精神的にも求めるものは得られ
ず、ただ一人、孤独の中にいた。》
少年は、友を求めていた。
自閉症の少年はとてもおしゃべりだった。
少年は、とても不器用で、
傷つくことを、いつもおそれていた。
《少年は、大人になるのが恐かった。
できることなら、今のままでいたかった》
少年は、夜明けの海辺に一人たたずみ
おくびょうだった自分を反省した。
少年は、決してくじけまいと思った。
進む道が、たとえどんなにけわしくとも
《傷つくことをおそれずに
自分なりに、歩いて行こうと思った》
少年は、一歩 足を踏み出した。
《未来》という、荒野へ向かって……
海は、静かだった。