季節の便り その2


春の陽射しにてらされて
つくしんぼたちが背比べ
ちびちゃんつくしが背伸びして
兄ちゃんぼくのが大きいよ
えっへん、えっへん得意顔
姉さんつくしはその傍らで
にっこり笑いながら
風に揺られて
ハミングハミング



花の名前は知りません

わたしはあなたの

そのはにかんだような

薄紅(うすくれない)に染まった姿が

美しいなと思って立ち止まった

通りすがりのもの

ただそれだけのこと

あなたの名前は関係ないのです

わたしには

大切なのは

美しいあなたに出会ったということ

人がつけた名前より

わたしの記憶に残る

あなたの姿

あなたの香り

それが全てです

美しい花よ

わたしはその花の名前をたずねまい

あなたの美しさの記憶を

不純物を交えずに

そっと記憶の中に留めておこう

                         2000.4.4

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