★地域通貨研究会通信〜その9★   【筆者:窪田 幸唯】塩山市地域通貨研究会メンバー 前月のレポートでも書きましたが、9月末の流通実験終了をうけ、地域通貨「葉」 の内容の変更、研究会の実施・推進体制を見直すことになりました。 そこで、将来の活動の自律性も念頭に入れながら、従来、「商工会内」としてい た事務局は「会長宅」とするにしました。ただし、商工会では、商工会会員の皆 様や商店主の方々との関係の中で、一層の連携を図ってくださることとなってい ます。 これまでの経過を書いてみます。  昨年の夏からスタートした塩山市における地域通貨導入の試みは、16年5月か らの実験流通、同年11月からの本格流通へと続いています。 当初は、すでに流通している地域の視察や、流通にかかわっている人からノウハ ウを学んだりしました。様々なタイプの地域通貨があることがわかり、塩山らし い地域通貨はどういうスタイルなのかを討議しました。 紙幣方式か通帳方式か、価値の尺度を「円」との関係でどのように設定するかな ども検討を重ねました。また運営に関してコーディネーターを置くのかなど、細 かい事柄を模索しながら進んできました。 5月の実験流通の直前によくやく暫定的なスタイルが固まりました。 流通促進のためのイベント開催や広報誌の発行なども始まりました。 しかしいざ始まってみると、月々のイベントや広報などの話し合いが中心になり、 実際の中身をどう練り上げていくのか、会員数流通量をどう拡大していくかとい う議論にまで力が回らなくなってきました。さらに参加者が固定化されるような 傾向もあり、路線変更が必要だという声が高まってきました。 導入する前の勉強会に招いたある講師からは、楽しくやること、地域活性化の道 具の一つであることなどのアドバイスがありましたが、走っているうちに、地域 通貨の流通が目的であるかのような錯覚に陥ります。 前月のレポートでも書きましたが、9月末の流通実験終了をうけ、内容変更、推 進体制を見直すことになりました。 もっと地道な方法をとって塩山らしい地域通貨のあり方を模索する内容です。 商店街、農家などで使える道を探しています。 また研究会が民間団体として自立していくことも目指しています。 成功させるためには支える人たちの情熱が必要です。 誰かがやってくれるのではなく、自分たちで地域を変えていくというような気概 こそが今必要なのではないでしょうか。 ちょっと観念的な話ですが、やることは地道です。 今回事務局を諸般の事情により一時閉鎖することになりましたが、逆に商工会や 商店街との連携は深めていく方向です。 限られたエネルギーを進むべき方向に集中投入するための方向変換とご理解くだ さい   塩山市地域通貨研究会ホームページ http://www.kcnet.ne.jp/~ichiyo/ 【塩山探検隊2004年12月号掲載】