収容生活中、手帳に描きとめたビルマのスケッチを紹介します。これは、ビルマで目にした情景を思い出しながら、収容所での自由時間に描いたスケッチとメモ書きです。鉛筆画のスケッチにペンあるいは鉛筆でメモが添えてありますが、メモの部分は不明瞭なため、抜粋して紹介いたします。
なお、手帳はダンボール紙とトイレットペーパーを綴った自作の手帳です。
スケッチ |
メモ書き要旨 |
男の子(ヤウチャカレー)と女の子(メンカレー) 初めてビルマに進駐した時、汽車の窓辺に集い来る可愛らしい男の子と女の子。さて、どちらがどちらかわからない。 暑い気候であるのに無帽、裸、裸足で元気である。南の国のお母さん連は随分楽ができる。 |
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牛車 およそ文明から遠ざかったビルマの国に何百年前からいや何千年前から今なお重要な役割を演じているのは唯一牛車だけである。赤い日傘をさしたビルマ乙女の牛車に揺られて嫁ぎ行く風景もまた古典的でおもしろし。 |
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牛飼う女 お隣の国では牛を神聖視しているが、この国の人々も牛は大切にしている。広々とした草原を何百頭とも知れぬ牛の大群を追いつつ生活している人達も多い。現に牛はビルマ人の財産でこそある。 |
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僧侶が托鉢に歩く図。後ろには子供が飯びつをかついでいる。 ビルマは至る所に僧侶と野良犬の多い国である。ビルマの人々は信仰に依って生きて行く。明日食べる米がなくとも、たった一枚のロンジーが破れたとて、寺のためには己を捨てて尽くすのだ。 |